生産性向上に知恵絞れ

2017年の幕が開けた。

日通総研によると、世界経済は先進国・新興国ともに緩やかな回復が期待されるという。米国は、トランプ政権の経済政策に不透明さが残るものの、依然底堅いと予測。欧州では、オランダ、フランス、ドイツで総選挙や大統領選が予定され、英国に続きEU離脱の動きが広がる可能性も否定できない。中国経済の減速も避けられないようだ。

日本経済は、デフレ懸念が再燃し、2017年度も1.0%成長にとどまるとみている。

一方、トラック運送業の労働力不足は依然深刻で、改善の兆しは見えない。全日本トラック協会の調査によると、事業者の労働力不足感は再び上昇に転じ、2016年10-12月期は過去最高を更新する見込みとなっている。

トラック運送事業をはじめとする物流事業にとっては、今年も生産性の向上が強く求められることになりそうだ。

石井国交相は、2017年を生産性向上「前進の年」と位置づけて、強力に物流の生産性革命を推進していく考えを示している。

国交省の物流生産性革命プロジェクトでは、トラック輸送の生産性を向上させ、将来の労働力不足を克服し、経済成長に貢献していくために、(1)荷主が協調したトラック業務改革、物流システムの国際標準化の推進など「成長加速物流」(2)受け取りやすい宅配便など「暮らし向上物流」を推進し、物流事業の労働生産性を2割程度向上させることをめざしている。

業務効率の改善と付加価値の向上により、物流の生産性を飛躍的に向上させようというわけだ。

「成長加速物流」では、手待ち時間や貨物スペースなどのムダを排除し、生産性を向上させる。荷主も参画するトラック協議会でトラック業務の課題を抽出し、対策をパイロット事業として実施してその普及をめざす。中継輸送を含む共同輸配送や手待ち時間の削減を支援する。

当初から物流を考慮した建築物の設計・運用も求められる。クール宅配便などの日本の物流システムの国際標準化も付加価値の向上には欠かせない。これから冷蔵庫や電子レンジなどの普及が進むアセアン諸国で、日本の鮮度保持可能な物流サービスを標準とするのだ。

「暮らし向上物流」では、2割が再配達といわれる宅配便の効率を高めるために、オープン型宅配ロッカーの導入を促進するほか、ドローンによる荷物配送も検討する。2020年に4000万人をめざす訪日外国人旅行者の増加に対応して、手ぶら観光の促進も求められよう。
トラックの積載率は、41%と低い。トラックの生産性向上方策に関するガイドラインを策定中の国交省ワーキンググループでは、実働率、実車率、積載率を生産性向上のKPI(重要業績評価指標)として定めることを検討しており、これらの向上を図る手法として、中継ネットワークの再編による長距離輸送の防止、センター・店舗仕分けの徹底による積み卸し時間の削減、荷主同士の共同輸送による帰り荷の確保などがメニューとして検討されている。

国交省の道路局サイドからは、1台で大型トラック2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」の導入も提案されている。将来の自動運転技術によるトラックの「隊列走行」も視野に入る。今年も物流の生産性向上に知恵を出したい。