新たな「つながり方」を追求
新年の行事は感染症対策により中止、規模縮小、リモートと年始の様子も様変わりした。そうした中で物流企業、団体トップの挨拶からはリスクを負いながらも日々奮闘する現場従事者への感謝、激励とともに、コロナ禍の環境変化をしっかり見据え、ビジネスチャンスを獲得していく前向きな発言も聞かれる。
緩やかながら回復を示してきた景況感もコロナ第3波により再び下降局面にある。7日には首都圏1都3県に再び緊急事態宣言が発出され、今後の経済活動への影響が懸念される。回復への足取りは重いままだが、物流を止めることはできない。ウイズコロナと向き合いながら変化の中における新たなニーズに応え活路を見出したい。
経営トップからも「取り巻く環境が大きく変わるこのような時こそ、想像力を働かせ、いろいろなことにチャレンジしてほしい」(福田泰久センコーグループHD社長)、「しっかりとアンテナを立てて、お客様の動向と求められる物流サービスを察知し、迅速に対応していく必要がある」(鳥居伸年近鉄エクスプレス社長)など変化を追い風にとらえる。
コロナの感染確認から1年になるが、感染症対策等を通じて物流業界は構造改革が進展し、デジタル化も大きく動き出した。業界全体でこれを推し進める気運にあり、サプライチェーン全体でその意識を共有し高めていきたい。
ウイズコロナにおけるコミュニケーションの在り方も改めて問われるところだ。
社内間ではリモートの定着によるメリット、デメリットもあろうが、変化への対応を迅速化するにも、多くの意見、提案が出され、積極的に対話ができる環境づくりが求められる。
企業間の取引においても様ざまな制約がある中、物理的な「接触機会」が減る分、コミュニケーションを密にした「接点機会」を広げていく必要があるだろう。
物流業界に限らず構造改革、デジタル化がさらに進むことで企業間の連携の仕方も変わる。M&Aの加速化も想定され、異業種も巻き込んだ新たな「協創」も具現化しそうだ。そうした観点からもコミュニケーションをより強くしていく必要がある。
危惧されるのは社会の分断である。コロナで多くの感染者を出している米国では大統領選も相まって社会の分断が表明化している。
技術革新も背景に様ざまな手法を通じて新しい「つながり方」を追求したい。