健全な発展と規制見直し

全日本トラック協会は毎年、「トラックの日」にあわせて、全国トラック運送事業者大会を各ブロックの持ち回りで開いている。今年は、四国ブロックの担当となり、10日、香川県高松市で1200人を集めて盛大に開催された。

全ト協では、多くの人にトラック運送業を知ってもらうため、10月9日を「トラックの日」と制定し、全国各地で様々なイベントを開催している。全国統一の標語は「トラックは生活(くらし)と経済のライフライン」だ。

「生活と経済のライフライン」であるトラック運送業界が、ライフラインとしての役割を果たせなくなってしまうことが懸念されている。

一般論になるが、トラック運送事業は、労働時間が全職業平均より約2割長いのにも関わらず、年間賃金は約1~2割低く、ドライバーをはじめ人手不足が年々深刻化している。

しかも、ドライバーの高齢化が加速している一方で、ドライバーの女性比率は低いのが現状だ。

なぜ、トラックはこんな業界になったのか。業界内で説得力を持つのは、1990年(平成2年)の物流2法による規制緩和以降、トラック運送事業者は過当競争状態に置かれ、ドライバーの長時間労働・低賃金が続いて、その結果としてドライバーの高齢化とドライバー不足がより深刻化している、という説だ。

全ト協では「ドライバーの労働条件改善のための原資を確保することで、労働条件を改善させる」こと、つまり「労働環境改善」を最優先課題と位置づけ、業界の健全な発展へ、トラック事業法の一部改正に向けた検討を進めている。

改正の方向性は、①参入規制の厳格化②不適切事業者(悪徳事業者)の排除③標準的な運賃の公示制度の導入――を柱としている。

これが実現すれば、公正な競争を確保しつつ、事業者にとっては適正運賃・料金の収受に繋がり、それを賃金上昇に振り向けるという好循環が生まれると期待している。

10日、高松市で開かれた第23回全国トラック運送事業者大会は、長時間労働是正を図る「働き方改革」の実現に向けた対策、適正な運賃・料金収受、高速道路料金の大口・多頻度割引最大50%の継続・恒久化、参入基準の厳格化など規制緩和の見直しを推進していくとして10項目からなる大会決議を採択した。

23回目ともなれば、マンネリ化も指摘されるが、年に一度、トラック運輸業界がテーマに基づき、一致団結する大会決議のひとつだ。規制緩和の見直しには、重みを感じる。