予測上回るドライバー不足

自動車運転者を中心に交通運輸事業の労働力不足が顕在化しており、なかでもトラックドライバー不足は危機的な状況だ。

国土交通省が発表した2017年版交通政策白書によると、トラックドライバー数は83万人(2016年)。この83万人は「2020年問題」で指摘されているトラックドライバーの供給総数92万4千人に対し10万人近い不足である。

「2020年問題」は、3年前に鉄道貨物協会がまとめた「トラックドライバー需給の将来予測」(14年5月/大型トラックドライバー需給の中・長期見通しに関する調査研究)で、トラックドライバー不足問題がクローズアップされたものだ。

同調査は、2020年度に不足するドライバー数は約10万6千人と予測した。20年度に必要とされるドライバーが103万人(需要数)に対し、92万4千人(供給数)で対応することになるとの試算だった。

トラックドライバー数(供給数)は減少の一途をたどっている。その一方で、営業用トラックの輸送需要は増加が見込まれている。

ここ数年、ドライバー不足は予測を超えるスピードで推移している。東北運輸局が4月末に発表したトラック運送事業者のドライバー確保状況に関する調査によると、同運輸局管内のトラック事業者の88%が「運転者が不足」と回答した。ドライバーの年齢層は、40~50代が61・4%、女性ドライバーの割合は2・8%だった。

国土交通省によると、トラック運転者の女性比率は2・4%、平均年齢は47・5歳(「17年版交通政策白書」)で、中高年層の男性に依存した就業構造は変わらない。

こうした中で、荷主企業も鉄道コンテナ輸送や海上輸送へのモーダルシフトを推進し、トラックの適正運賃を容認することで、安定した輸送力の確保を図っている。

5月の運輸・倉庫業界の景気はドライバー不足が深刻化するなか、運賃見直しが進んだが、全体として続いていた回復傾向が一服した。

トラック運送事業者からは「労働力の需給バランス悪化にともなう人件費アップや燃料単価の上昇により収益環境は厳しい」と、コスト負担増を指摘する声が聞かれる。人件費コストの上昇に見合った運賃料金でなければ、採算割れする。

もちろん、適正運賃の収受は、口で言うほど容易ではない。ドライバー不足の現状を考え、採算の合わない荷物、運賃の値下げを要求する荷主からは撤退すべきである。誰も運んでくれる人がいなくなれば、荷主も深刻さに気付くだろう。