サプライチェーンの生産性向上を

国土交通省は、トラックドライバーの働き方改革に向け、品目別の労働時間改善を進めている。物流は、個々の輸送品目ごとに、抱える課題や特性に違いがあるためである。

昨年7月に荷待ち時間等の記録を基にサンプル調査を実施した結果、荷待ち時間の発生件数は加工食品(398件)、建築・建設用金属製品(350件)、紙・パルプ(339件)、飲料・酒(326件)、生鮮食品(281件)などの順となった。荷待ち時間の記録義務付けは、荷主都合で30分以上の荷待ちが発生したケースが対象だ。

国交省では、輸送品目別で最も荷待ち時間発生件数が多かった、加工食品業界を対象に今年6月、学識経験者、発着荷主、トラック運送事業者らで構成する「加工食品物流の労働時間改善に関する懇談会」を立ち上げ、初会合を開いた。その懇談会が年内にも半年ぶりに第2回会合を開くことになった。

初会合での意見も踏まえ、メーカー、卸売業者、小売業者、倉庫業者、運送業事業者など加工食品物流に関する事業者へのアンケート調査を、すでに11月19日からウェブ上で行っている。

アンケート調査はトラックドライバーの荷待ち時間削減のために関係者が取り組む内容などを詳しく聞くもので、懇談会の議論に反映させることが狙いだ。

こうした中で、アンケート調査を通じて現場の実態を把握するとともに、サプライチェーン全体を捉えた幅広い意見を収集することが狙いだ。

トラック輸送の生産性向上やドライバーの長時間労働問題に対応するために、各社の調達及び出荷に関して、物流現場が直面する問題や取り組み課題などを把握する。

アンケート項目は「荷主や倉庫事業者等と運送事業者との協力関係」「物流効率を高めるために取り組んだ施策」など計64項目にも及ぶ。

同省の奥田哲也自動車局長は11月29日の定例会見で、「実態を把握するとともに、様々な意見をいただきたい」と期待を示した。

同様の懇談会は、建設資材、紙パルプの両輸送品目についても今年度内に立ち上げる方向で、ドライバーの働き方改革に向け、加工食品以外の品目にも広げていく方針だ。

トラックドライバーの長時間労働の原因に「発荷主の出荷遅れによる荷待ち発生」「発荷主からの配車指示が遅い」などがあげられており、品目別の検討を通じ、ドライバーの労働時間改善、サプライチェーン全体の生産性向上が期待される。