「連携」が不可欠の時代に

中小運送事業者をターゲットとした中継輸送の実証実験が始まる。

トラックドライバー不足、なかでも深刻な長距離ドライバー不足に対応するため、中間地点でドライバーが交替してそれぞれが発地へ戻り、長距離運行を分担することで、ドライバーの労務負担軽減を図ろうというものだ。大手企業では取り組みが進んでいるが、業界全体に普及させるためには、中小事業者の間にも波及させていくことが必要だ。

普及に当たり、最大の課題となるのが、中継輸送を行う事業者同士のペアリングだ。そこで存在意義を発揮したのが事業協同組合である。協同組合に加入して何らかの役割を担っていれば、与信の問題をクリアできるほか、中央団体である日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)などの会議を通じて全国の事業者と関係づくりができる。

また、日貨協連が運営する求車求荷情報システムWebKITのユーザーであれば、帰り荷斡旋などを通じて取引が生まれ、事業者同士のネットワークとなる。今回の実証実験でも、日貨協連などの会合で社長同士の面識があり、ペアリングに至った事業者もあるという。

一方、共通の荷主を持つ運送事業者同士もペアを組みやすそうだ。荷主や元請け事業者にはよく、「○○協力会」などと称した協力会社の組織が存在することが多く、こうした場を通じてつきあいのあった事業者も今回実証実験に参加している。

実験では、中継拠点として、物流企業の倉庫、トラックステーション、協同組合施設、ガソリンスタンドを選定した。中継拠点で貨物を積み替える方式の場合はある程度のスペースが必要になるが、ドライバーの交替だけであればスタンドでも可能だ。

異なる事業者間での中継輸送は、事前に協定書を締結すれば法的にも認められている。

心配なのは、事故時の対応だろう。貨物については、現在締結している保険でカバーできるか否かを保険会社に確認する必要がある。車両については、車両保険への加入が分かれるところだ。片方の事業者が加入している場合は、もう一方の事業者も新たに加入する必要があろう。最近では、週単位など短期の保険もあるという。

国交省では、実証実験を通じて、こうした事業者の不安を払拭するための手順書を作成する予定だ。いずれにしても、人手不足時代を乗り切るキーワードは「連携」であり、トラック運送事業も荷主や同業他社との連携が不可欠な時代に入りつつあるようだ。