増収7割も減益過半、上場物流企業67社中間決算

人件費・外注費が収益圧迫

物流企業の2026年3月期中間決算(4―9月期)が出揃った。本紙調査によると、上場する67社のうち、売上高で増収は48社(72%)、営業利益で増益は33社(49%)、増収営業増益は30社(45%)だった。増収企業は新規顧客獲得や適正運賃・料金収受の進捗などが寄与。利益面では引き続き人件費、、外注費、傭車費などの営業費用増加が圧迫し減益が過半となった。売上高は7割が増収を確保した。新規顧客・案件の獲得や新規領域への進出、新たな拠点の稼働増などが寄与。また、コスト上昇分の適正運賃・料金収受への取り組みなど価格改正による効果も大きい。2ケタ増収の企業は9社あり、これらの貢献やM&Aによる新規連結効果もある。物量と単価の動きをみると、宅配ではヤマトHDが取扱い個数1・0%増、平均単価1・3%増、(宅配便3商品)、SGHDは取扱い個数1・3%増、平均単価横ばい(デリバリー事業)。特積みはセイノーHDが物量1・3%減、単価4・5%増、福山通運が重量2・0%増、単価2・4%増だった。国際物流では米国関税政策による事業環境変化に伴う物量や運賃相場への影響、また中国の景気減速の影響も引き続き受けた。利益面ではコスト適正化を進める一方、2024年問題への対応から様ざまな施策を講じる中で営業費用の増加が継続した。営業費用増は織り込み済みだが、売上高が計画を未達となったため減益を余儀なくされたところも目につく。通期業績見通しは据え置きが多いが、上期の業績と下期の経営環境を踏まえ、上方、下方修正ともにみられる。67社中増収予想は48社(72%)で上期と変わらないが、営業利益増益は40社(60%)と通期では増益予想が過半となる。