運輸・倉庫2カ月ぶり改善、TDB10月景気動向調査
一般貨物自動車運送1・8ポイント増
帝国データバンク(TDB)が6日発表した10月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・0ポイント増の44・2と2カ月ぶりに改善した。うち一般貨物自動車運送業の景気DIも同1・8ポイント増の43・3と2カ月ぶりに改善。建設、製造業などの景気DIが上昇しており荷動きが上向いた。全体の景気DIは前月比0・5ポイント増の43・9と5カ月連続で改善した。新政権への期待などを受けた株高を追い風に、設備投資の高まりやメーカーの生産拡大を含め、幅広い業種で景況感が持ち直す動きが続いた。価格上昇で農・林・水産業が調査開始以来最高の景気DI(51・8)を記録したほか、「その他」を除く9業界すべて改善した。規模別では「中小企業」「小規模企業」とも改善、「大企業」は悪化し、規模間格差はやや縮小した。原材料や物流にかかるコスト負担の増加や人手不足は、改善の勢いをやや抑える要因となった。今後の国内景気は、一進一退を繰り返しつつ、緩やかな持ち直し基調をたどると見込む。運輸・倉庫は貨物関係が伸長し、旅客関係はほぼ横ばいで推移した。景気DI44・2は2024年12月(45・7)以来、一般貨物自動車運送業の43・3も同月(44・1)以来の水準となる。運輸・倉庫の10月各指標をみると、仕入単価DIは66・2(前月64・8)、販売単価DIは59・3(同58・0)といずれも上昇。雇用過不足DIは正社員64・6(同64・3)、非正社員57・8(同56・9)だった。 物流関係者からは「いまだに安い運賃を提示してくる依頼はあるが、全体では価格転嫁できている」(一般貨物自動車運送)一方、「人件費・燃料費・修繕費・タイヤ費の高騰などが厳しい」(同)、「物価の高騰や人件費の増加分を輸送代金にすべて反映できていない」(利用運送)との声も引き続き聞かれる。物量では「輸出貨物の物量が多くなると見込む」(普通倉庫)、「2025年度末に向け復調」(沿海貨物海運)との期待とともに、「年末は需要が増加する一方、人手不足で不透明感がある」(一般貨物自動車運)との懸念も聞かれる。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後46・3、6カ月後46・9、1年後48・0となる。

