運輸・倉庫2カ月ぶり改善、TDB7月景気動向調査

トラックは悪化

帝国データバンク(TDB)が5日発表した7月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比0・6ポイント増の42・9と2カ月ぶりに改善した。うち一般貨物自動車運送業の景気DIは0・1ポイント減の40・0と2カ月連続で悪化した。全体の景気DIは前月比0・1ポイント増の42・8と小幅ながら2カ月連続で改善した。個人消費には依然弱さが残るが、自動車を中心に製造業の生産回復がけん引し、わずかだが上向き傾向が続く。猛暑による夏物衣料や空調設備工事の特需のほか、都市部での再開発事業もプラス材料。公共工事の継続発注で建設が上向き、中小企業の景況感が上向いた。一方で、宿泊業など個人向けサービスが下押ししたほか、自然災害に伴う交通網の混乱などは一部地域で悪材料となった。今後の国内景気は、懸念材料を抱えつつも関税措置の不確実性が後退し、横ばい傾向で推移すると見る。運輸・倉庫は全体的に旅客関係が動き、物流では海運が関税措置への駆け込み需要も含め活況だった。建築、製造業の景気DIは伸びたが全般に荷動きは低調だった。運種・倉庫の7月各指標をみると、仕入単価DIは64・8(前月64・3)、販売単価DIは58・6(前月58・5)に上昇。雇用過不足DIは正社員63・6(前月64・0)、非正社員57・3(前月57・1)だった。物流関係者からは「備蓄米に関連した特需がある」(普通倉庫)、「トランプ関税の懸念があったが、輸出量はむしろ増加」(港湾運送)の一方、「荷動きが良くない。人件費、修理点検費用、車両代金が上昇している」(一般貨物自動車運送)など引き続きコスト増負担の厳しい声が聞かれる。見通しは、「政治の混迷とトランプ関税による影響」(特定貨物自動車運送)、「燃料価格の高止まりや物価高、円安の影響」(一般貨物自動車運送)などを懸念する。運輸・倉庫業界の景気DI見通しは、3カ月後45・2、6カ月後45・5、1年後45・3となる。