持株会社26年4月始動、三菱ふそう・日野

統合に最終合意

ダイムラートラック社(カリン・ラドストロムCEО)、三菱ふそうトラック・バス(カール・デッペン社長)、日野自動車(小木曽聡社長)、トヨタ自動車(佐藤恒治社長)は10日、三菱ふそうと日野を統合するための最終合意を締結したと発表した。両社を100%子会社とする持株会社を設立し、2026年4月の事業開始を目指す。両社は対等な立場で統合し、商用車の開発、調達、生産の分野で協力する。持株会社の社長には三菱ふそうのデッペン社長が就任。東京証券取引所プライム市場への上場を目指す。ダイムラートラックとトヨタは、持株会社の株式をそれぞれ25%保有する。統合により開発・調達・生産などの領域で事業効率の向上を図るとともに、カーボンニュートラルや物流効率など商用車に関する課題解決に取り組む。日本の商用車メーカーとしての競争力をさらに高め、日本、アジアの自動車産業の基盤を強化する。両社は23年5月に統合に基本合意し、24年末までの統合を目指していたが、必要な許認可取得や、日野の認証問題への対応が継続していたことで延期していた。今回の統合により国内のトラックメーカーは、両社と、いすゞ自動車・UDトラックスによる2大グループに集約される。同日、4社のトップが会見。新会社の社長に就任する三菱ふそうのデッペン社長は「国内は2024年問題でドライバー不足が深刻化し、海外では大規模な新興企業との競争が激化する。大規模な投資を加速するには規模が重要であり、商用車メーカーが多数存在するのは現実的でない。統合によりこれまで以上にお客さまの輸送に的確に応えたい」と述べた。日野の小木曽社長は「カーボンニュートラルや物流の効率化など様ざまな課題対応が迫られ、これまで以上にスピードと柔軟性、投資が必要。4社の協業は千載一遇の機会であり、強みを生かし協力する体制が整う」とコメントした。ダイムラートラックのラドストロムCEОは「業界の歴史的変革期においてトラックメーカーは同時並行的に複数技術を開発しなければならない。これを経済的に行うにはスケールメリットであり、今回の統合は大きな時宜を得ている」と期待を示した。トヨタの佐藤社長は「協業の原点は両社の強みを生かし、日本とアジアの事業基盤を守り4社で商用車の未来をともに作ること。強みを生かしながらそれぞれ得意領域を伸ばす。ダイムラートラックとトヨタはCASE技術を軸に統合会社の競争力向上をサポートする」との考えを述べた。新会社の名称や協力の範囲、内容など詳細は、今後、数カ月の間に発表する予定。

左からトヨタ佐藤社長、日野小木曽社長、三菱ふそうデッペン社長、ダイムラートラック社ラドストロムCEО