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日本流通新聞5月11日付紙面から

社説:事故が起きてからでは手遅れ

 春の全国交通安全運動が11日から始まる。
 昨年、事業用自動車が第1当事者となった人身事故件数は3万9649件となり、前年より6.5%減少した。このうち事業用トラックの人身事故は同4.0%減の2万1564件となった。
 一方、事業用自動車が第1当事者となった死亡事故件数は、昨年408件で、前年比2.4%減となり、このうち事業用トラックの死亡事故は同3.3%減の349件となった。
 いずれも減少傾向にあるが、トラックの死亡事故が2012年に増加したこともあり、事業用自動車総合安全プラン2009で掲げた死者数中間目標を達成できず、死者数削減が課題となっていた。
 こうしたことから、全日本トラック協会は、トラックの重大事故データ集計結果を分析し、交通事故発生のメカニズムを分析したうえで、致死率の高い交差点事故に着目し、新たな取り組みを始めることにした。
 昨年は、年明けからトラックによる死亡事故が頻発したため、全ト協が9月から緊急特別安全対策を実施し、年間の死亡事故件数を前年比で減少させることができた。
 ところが、今年も2月が前年同月比9.3%増の32件(軽除く)、3月は同17.2%増の29件(同)と、事業用トラックが第1当事者となる死亡事故が増加に転じたため、新たな対策を実施することにした。
 新たな取り組みでは、トラックの交差点事故防止に特化したマニュアルを新たに制作し、交差点事故の特徴や様々な要因分析のほか、具体的な交差点事故防止対策として「7つの安全行動」を取りまとめ、広く会員事業者に提供する。
 また、すでに開催している「トラック追突事故防止マニュアル活用セミナー」、「ドライブレコーダー活用セミナー」に加え、今年度から「交差点事故防止マニュアル活用セミナー」を全国で開催し、交差点事故防止対策の普及・定着を図る。
 さらに、全ト協の機関紙「広報とらっく」に掲示用ポスターを8回にわたって同封し、啓発資料として会員事業者に配布する。
 事業用トラックの死亡事故のうち、33%を交差点事故が占める。相手は歩行者、自転車が8割を占めている。トラックの交差点事故は、トラックで最も多い追突事故の約4倍死亡事故につながる確率が高い。
 事故が起きてからの対策では手遅れだ。一時停止交差点での確実な停止と安全確認、交差点での死角の安全確認など、右左折時の確認を徹底したい。

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