日本流通新聞  
スペーサー


最新ニュース

日本流通新聞1月20日付紙面から

社説:景気上昇のいま運賃交渉

 景気上昇は地方圏や小規模企業など実体経済にも広がり、勢いを増しているという。民間調査機関が9日に発表した12月の景気動向指数(DI値)は前月比1.2ポイント増の49.5と、6カ月連続で改善、前月に続き過去最高を更新した。
 12月は、調査対象の10業界すべてが改善し、なかでも「建設(前月比0.6ポイント増/57.2)」「製造(同1.3ポイント増/48.2)」「卸売(同1.4ポイント増/47.3)」「運輸・倉庫(同1.7ポイント増/49.5)」「サービス(同0.7ポイント増/51.3」業界は6カ月連続の改善だ。
 こうした動向から、アベノミクス効果は地方圏の実体経済に着実に広がりをみせており、国内景気は全面的上昇の勢いを増しているようだ。
 地場のトラック運送事業者も「年末もあるが、物量がかなり増加している。運賃も一時的だと思われるが上昇している」と、12月時点の景況感については「良い」と判断する事業者が目立っている。
 日通総合研究所が12月に実施した企業物流短期動向調査(物流短観)によると、2013年10—12月の荷動き実績(見込み)は荷動き指数が予想のプラス7を9ポイントも上回るプラス16となり、足もとの荷動き回復が鮮明になった。2014年1-3月は3ポイント上昇しプラス19を予測している。
 この物流短観は、荷主企業の物流担当者を対象として実施している。
 荷動きの活発化とともに「運賃動向指数」でも、一般トラックは1-3月見通しがプラス15、特別積合せトラックもプラス15。荷主企業の物流担当者は「運賃値上がり」を見込んでいる。
 今後は2014年4月の消費税引き上げが景気動向の最大の懸念材料だ。ただ、消費増税の悪影響を緩和する5.5兆円規模の経済対策が本格化し、公的部門が下支する状況が続くと見込まれている。
 この経済対策への期待は大きい。15日、東京トラック業界の新年交歓会で、業界は「政府の経済政策の効果に期待」し、来賓として駆けつけた太田昭宏国土交通相は「今年は中小企業の皆さんが景気回復を実感できるようにするための正念場」と期待に応える意欲を示した。
 いま、賃金上昇やデフレ脱却などアベノミクスに対する成果を求める傾向が強まっている。特に、投資や賃上げを促す法人減税の実施や円安の定着、東京五輪に向けたインフラ整備やシステム開発などの関連事業が好材料となる。
 ドライバー・車両不足が深刻化している現在、前号の繰り返しになるが、景気上昇に力強さがみられる、今こそ運賃交渉の好機である。

原価計算システムのご案内はこちら

原価計算システムサポートはこちら

 

 
takeda