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日本流通新聞11月19日付紙面から

社説:新政権の枠組みが焦点に

 衆院が16日解散し、国会は来月16日の投開票に向けて事実上の選挙戦に突入した。民主党が圧勝した2009年8月以来、3年4ヵ月ぶりの衆院選で、選挙後の新政権の枠組みがどのようになるかが最大の焦点だ。
 一方、2013年度税制改正を審議していた民主党税制調査会は議論を中断する見通しだ。来年度税制改正と予算編成作業は衆院選後に持ち越され、予算の越年編成が不可避の状況となった。
 税制改正で焦点の1つとなっている自動車の車体課税見直しについては、14日に行われた民主党税調のヒアリングで、連合、日本経団連、日本商工会議所がいずれも消費税引き上げ時に自動車取得税と自動車重量税を廃止するよう求めた。
 消費税が5%から8%に引き上げられるのは2014年度からだが、党内で、景気悪化を踏まえて2013年度からの先行減税を求める声が上がっていたことを踏まえ、藤井裕久党税調会長は16日、野田首相に提出した今後の税制改正についての文書で、車体課税については「消費税引き上げに先行して抜本的な見直しを行う」と記し、先行減税に含みを持たせた。
 民主党は2009年の総選挙でガソリン、軽油の暫定税率廃止を公約に掲げて大勝したが、こちらは今もなお実現されないままだ。12日の同党トラック議員連盟総会では、坂本克己道運研会長がマニフェストに再度暫定税率廃止を盛り込むよう迫ったところ、出席した議員は「しっかり受け止め、頑張りたい」などと釈明した。
 解散に伴い、衆院で審議途中だった海上コンテナ陸上輸送安全確保法案も廃案となった。トラック運送業界では法案の早期成立を求めていたが、法案には経団連が難色を示しているとされ、自民党中心の政権が誕生した場合、すんなりと再提出できるのかが心配だ。
 厚生年金基金制度の見直しも、民主党と自民党で考え方が異なる。民主党は年金基金制度の廃止を打ち出し、厚生労働省も10年かけて廃止する試案を提示しているが、自民党と公明党は年金基金制度存続の方向で、新政権の枠組み次第で方向性が変わる可能性がある。
 トラック事業の全国35基金で構成する全国トラック総合年金基金連合会が自民、民主両党に年金基金制度の存続を要望した。
 中小企業が過半を占めるトラック業界では、年金基金によるプラスアルファ部分が退職金代わりになっているケースも少なくない。新政権がどのような枠組みになってもソフトランディングが求められる。

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