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日本流通新聞12月6日付紙面から

社説:交付金を確固たる制度に

 民主党トラック議員連盟が首相官邸はじめ、財務、総務、国土交通、環境各省に来年度税制改正に関する申し入れを行った。
 先月24日に全日本トラック協会など運輸関連5団体が自動車関係諸税マニフェスト実現要請行動を実施したことを受けて、政府側にマニフェストの実現を求めたもので、申し入れでは運輸事業振興助成交付金について、責任を持って維持、拡充を図るとともに、確実な交付が担保される仕組みを確立することも求めた。
 交付金については、民主党税制改正PTの来年度税制改正提言案でも「国の責任で確実に予算措置すべき」とされ、地球温暖化対策税の導入に伴う軽油の価格引き下げ措置が講じられない場合は、価格上昇分相当額を交付金に上乗せすべきだと指摘し、政府に対応を求めることになっている。
 民主党内でこのように交付金の制度化を求める動きが相次いでいるのは、橋下大阪府知事が大阪府トラック協会に対する交付金を10年度から大幅に減額するなど、府県によって減額の動きがあることや、片山総務相が国会答弁で、地方自治体に交付を求める副大臣通達について「拘束力はない」などと述べていることなどが背景にある。
 交付金制度見直しの原動力となっているのが民主党トラック議員連盟だ。議連事務局長を務める石井章議員は「知事の裁量で減額されるなどはあってはならないこと。交付金制度のあり方を抜本的に見直すべきだ」と制度の見直しを政府に働きかける考えを示している。
 10月26日の衆院総務委員会で答弁した片山総務相は、副大臣通達について「今後そういう紛らわしいものは出すつもりはない」と今後は発出しない考えを示しているが、これまでも毎年通達が発出されてきたわけではないので、これをもって制度が廃止されると考えるのは早計だ。
 総務相はさらに「過去言ったものを撤回することは理論的にありえない」とも述べ、今年4月の副大臣通達を撤回しない考えも示している。
 問題は、今の制度のままでは、総務相が言うように「拘束力がない」ため、大阪府のような動きを法的に止められないことだ。関西広域連合のような動きもあり、むしろ拡大することも懸念される。
 しかし、それは制度の趣旨を踏み外した動きだ。石井議員は「軽油引取税は皆公平に負担しているのに、その見返りが都道府県によってバラバラではおかしい」と減額の動きを批判しているが、もっともな理屈だ。交付金がより確固たる制度として確立されるよう期待したい。


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