SS拠点に配送効率化

三菱商事、ENEОS 新会社設立し大規模実証

三菱商事(中西勝也社長)とENEOS(齊藤猛社長)はこのほど、ガソリンスタンド(SS)を拠点とした配送効率化 事業を推進する合弁会社の設立に合意した。折半出資により2023年度前半に新会社を設立、大規模実証を行い、26年度から全国展開を含めた本格事業化を目指す。ENEOSの全国1万2000カ所超のSSネットワークを荷物の一時保管・最終配送拠点として活用することで、ラストワンマイルを短縮し、配送の効率化を目指す。SSは全国の多様な地域を網羅しており、荷物配送の最終配送拠点として活用することで、大型倉庫からの直接配送に比べて必要な走行距離が削減されることが分析結果から示されている。ドライバーの負荷、配送コストの低減につながる。また、車両のスムーズな出入りを前提に設計されているSSは物流拠点に適しており、既存のSSを拠点として活用することで整備にかかる追加費用を低減できる。両社はこれまでも荷主やラストワンマイルの配送を担う配送パートナーと共にSSを拠点とした配送オペレーションの実証を行ってきた。事業主体を明確化し事業化検証を加速させる。新会社LifeHubNetwork株式会社(仮)を設立し、荷主であるEC事業者や配送事業者、SS、配送パートナーとともに実証を行う。23年度から高い宅配需要が見込まれる1都3県の100カ所のSSで大規模実証を行う。25年度までには500~1000カ所のSSへ事業拡大を予定し、26年度から本格事業化を目指す。実証による知見・データをもとに、荷主の配送管理システムと連携することで、SSを活用するラストワンマイル配送を円滑に推進する配送ソリューションシステムアプリを開発・提供し、配送業界の負担軽減や効率化を目指す。なお、ENEOSは現在、東京都中央区佃・月島・勝どきエリアにおいて、ZMPの自動宅配ロボットを活用したデリバリー事業の実証実験を展開、ロボットの設置場所にSSを活用するなど、SSの配送拠点としての活用を進めており、23年度の実用化を目指している。

配送ネットワークイメージ