再発防止策を周知徹底、全ト協

重大事故、飲酒事案、情報発信で改善策

全日本トラック協会(坂本克己会長)は、重大事故、飲酒運転事故の再発防止策を周知徹底する。重大事故は会員事業者への情報発信の在り方について改善策を図り、飲酒事案はより迅速・正確な情報収集体制をとる。好事例の冊子化や機運醸成へ統一日の設定も検討する。6日の交通対策委員会(松橋謙一委員長)で、交通対策小委員会(森本勝也委員長)が検討してきた「事業用トラックによる重大事故及び飲酒運転事故防止への対応について」の中間とりまとめ(提言)を承認したもの。今後、フォローアップを行い、次年度事業に反映させる。5月に事業用トラックによる甚大な被害を生じさせた重大事故が相次ぎ、また、飲酒運転事案も増加している状況から、小委員会において各地方トラック協会への調査や事業者ヒヤリングなどを行ってきた。地ト協に対しアンケートを実施し、重大事故発生に伴う再発防止の周知や、交通事故データの有効活用方策、国から提供される事故事例の活用、各種スクリーニング検査の状況など現場の実態を調査した。重大事故発生時の周知手法では、各県に整備されるFAX一斉配信システムを活用している実態が明らかになった一方、メールへの切り替えも散見され、引き続き工夫・改善策の検討を進める。飲酒事案では7月に国土交通省に対し、最新の情報を全ト協に提供するよう書面要請し、四半期ごとに提供する合意が図られ、最終の情報収集体制を整備。有効な再発防止策の樹立に努める。さらに重大事故・飲酒事案の再発防止へ社内体制の見直し状況や、安全運行が持続できている好事例を冊子化するなどして啓発に努める。また、国の春・秋の交通安全運動の実施項目の1つに掲げる「交通事故死ゼロを目指す日」とタイアップし、全ト協の同運動実施要領にも同様な統一日を設け、さらなる内容の充実を図る。