日本流通新聞  
スペーサー


最新ニュース

日本流通新聞10月14日付紙面から

社説:ドライブレコーダーで笑顔に

 今年で18回目となる全国トラック運送事業者大会が北の大地、北海道・札幌市で開かれ、全国から集まった1500人を超す事業者が一堂に会した。
 課題山積のなか、燃料高騰対策の推進や高速道路料金引き下げ、規制緩和の見直し促進などが満場一致で決議された。
 分科会では、第1分科会が安全対策の構築、第2分科会は経営基盤の強化をテーマに据え、討議が行われた。
 とくに第1分科会では、ドライブレコーダーの導入による事故防止対策に焦点が当てられ、若手経営者らがプレゼンテーションを行った。
 3人の若手経営者は、ドラレコ導入により、事故が減って、自動車保険料が削減でき、燃費が向上したと、一様にその有用性を強調した。
 自社の実際の事故映像をスクリーンで披露する経営者もあり、会場の参加者も興味深げに発表に耳を傾けていた。
 3人の経営者のプレゼンテーションを聞いて、印象的だったのは、いずれも「人」に焦点を当てた効果を指摘したり、取り組みを行っていたことだ。
 「動画を見ながら運行管理者と乗務員が話をするので、スムーズに指導ができ、人間関係もよくなった」という経営者のほか、「ドラレコで危険運転が認められた社員を、地元小学生を対象に自社で開催する死角体験教室に参加させている。交通弱者と触れあうことで、安全意識が格段に高まった」という経営者もあった。
 年1回、やはり地元小学校にトラックを持ち込んでイベントを行っている別の経営者も「子どもたちから『ドライバーってカッコイイ』といわれ、トラックに子どもたちを乗せてグランドを走る。そういう経験をしたドライバーは危ない運転をしなくなる」と話し、ドライバーのあまりの変貌ぶりに驚いたという。
 その経営者は「一番大切なのはドライバーのことを知ることだ」とも述べ、自ら社長室にこもることをやめ、極力ドライバーと顔を合わせ声をかけることを習慣づけた。その結果、社員が笑顔で仕事をするようになったという。
 「ドラレコを導入することでドライバーや運行管理者の間で会話が生まれ、どんどん笑顔になればいい」とのコーディネーターの締めくくり方も印象的だった。
 ドライブレコーダーを導入し、活用することで社内での意思疎通が良好になって職場が明るくなり、事故が減る。こんな好循環を作ることが大事なのかも知れない。

原価計算システムのご案内はこちら

原価計算システムサポートはこちら

 

 
takeda