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日本流通新聞7月25日付紙面から

社説:軽油高騰 運賃転嫁へ求められる行動

 全日本トラック協会が2年3ヵ月ぶりに軽油価格の影響と運賃転嫁に関する調査を行い、調査結果を発表した。軽油価格は2008年夏をピークに下落していたが、その後再び上昇に転じた。昨秋以降騰勢を強め、今年3月には1g当たり9円近く値上がりし、2年4ヵ月ぶりにローリー価格(消費税抜き)が100円の大台を突破した。燃料コストの上昇がトラック運送業の経営を圧迫していることを受けて、改めて調査を実施したものだ。
 調査結果によると、軽油の値上がりが収益の悪化に大きく影響していると答えたトラック事業者の割合は65・5%で、「やや影響している」31・2%と合わせると96・7%の事業者が影響を受けている。
 一方、主たる荷主に対する運賃値上げ交渉については「交渉済み」が14・4%、「交渉中」が20・4%で、実際に交渉を行っているのは合わせて34・8%にとどまっている。軽油価格が同水準だった08年1月の調査では、68・1%が交渉を行っており、荷主と交渉している事業者は当時の半分にとどまっている。
 さらに、軽油高騰分のコストを荷主に転嫁できているか聞いたところ、「全く転嫁できていない」との回答が71・4%を占め、「ほぼ転嫁できている」が2・2%、「一部転嫁できている」が24・8%と、何らかの転嫁ができた事業者の割合は3割に満たない。
 軽油価格が同水準だった2008年1月の調査結果では「全く転嫁できていない」との回答割合は58・4%と現在より13・0ポイントも低く、当時より転嫁が進んでいない実態が明らかになった。
 08年夏をピークとする過去の軽油高騰時に燃料サーチャージを設定・導入した事業者は34・7%で、61・8%が導入していない。過去に導入した事業者も、「今でも荷主に対して有効に機能している」と答えたのは31・3%で、「制度は続いているが機能していない」との回答が42・4%を占めた。
 つまり、荷主との間で燃料サーチャージ制が機能している事業者は全体の1割程度に過ぎないのだ。
 行政やトラック協会に望む支援策としては、荷主・大手元請などへの協力要請、社会への幅広いPR活動などをあげている。もちろん、円滑な運賃転嫁のための環境整備は重要だ。国土交通省も適正取引推進パートナーシップ会議を活用して関係者間の信頼感醸成を後押しすべきだ。ただ、最終的に決断して荷主等との交渉に臨むのは、事業者自身に他ならない。求められるのは、経営者としての行動だ。

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