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日本流通新聞6月13日付紙面から

社説:東日本大震災 復旧・復興担うトラック

 東日本大震災の発生から、3カ月が経った。国土交通省が6日時点でまとめたトラックの緊急輸送物資の延べ輸送先は2032地点になる。
 トラックの緊急輸送は、政府の緊急災害対策本部が物資の調達、トラックの調達を行い、内閣府→国土交通省→全日本トラック協会→日本通運など大手運送事業者――という指示命令系統で行われた。
 被災地への緊急物資輸送(合計)は、食料品が1897万7151食、飲料水が460万1965本、毛布等が45万8159枚、その他で発電機(590台)反射式ストーブ(2510台)、ポケット線量計(837個)、トイレ(5297台)、おむつ(25万3669個)などだ。
 ただ、救援物資が集積所に滞留し「公的な救援物資は1週間後、おにぎりとパン、水が1度届いただけだった」ケースなど、肝心の被災者に届いていないという問題も生じた。そんな状況の中で、トラック運送業界関係者からは「『必要なものを必要な所に正確に届ける』物流のプロである我われならもっとスムーズに物資を被災者に届けられた」という声が多く聞かれた。
 国土交通省でも、民間物流事業者の協力を得て「物流専門家」の派遣を決めたが、遅かった。あらかじめ政府や自治体と「物流のプロ」との取り決めがあれば、速やかに救援物資を被災者に届けられた可能性は高かった。
 同省は、今回の大震災で救援物資輸送が当初、スムーズに物資を届けられなかったことなどを踏まえ「単なる輸送ではなく『必要なものを必要な人に届ける』ロジスティクスの観点が必要」と、緊急輸送のあり方を再検討する作業に着手した。
 被災地への本格的な復旧・復興の物資輸送は、これからだ。国土交通省は、トラックが復旧・復興に係わる物資の輸送を担っている緊急性を考慮して、20日から当面8月末まで、東北地方の高速道路(水戸エリアの常磐道を含む)を発着(乗り降り)するトラック(中型車以上)を無料開放する。
 ただし、書面などの提示は必要ないが、入口料金所・出口料金所では「一般レーン」を通行しなければならない。
 現在、第2次補正予算で財源を確保することを前提に料金システムの改修を進めている。改修後は全車種を対象に、東北の対象区間分だけを無料化にする予定だ。
 今回の震災で、トラックによる物資輸送、物流の果たす役割がクローズアップされた。これからは、社会的地位など業界と事業者が等身大に評価されなければならない。

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