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日本流通新聞5月2日付紙面から

社説:存在感増すトラック輸送

 福島第一原子力発電所の事故に伴い、計画的避難区域に設置された5市町村の住民の避難輸送に、トラック運送業界が全面的に協力することになった。国土交通省の要請を受けて、全日本トラック協会の引越部会が対応しているもので、避難対象住民は約2000世帯、6500人程度と見込まれている。
 福島県トラック協会などとも協議した結果、同県ト協が県内の事業者に協力を要請し、車両が足りない場合は全ト協引越部会を通じて首都圏の事業者に応援を要請することになった。
 住民の避難先が確定していないため、どの程度の輸送需要になるかは判然としないが、全ト協引越部会では全面的に協力していく方針だ。
 計画的避難区域は、事故発生から1年以内に積算放射線量が20_シーベルトに達するおそれがあるため、概ね1ヵ月を目途に区域外への計画的な避難を求める区域で、飯舘村、川俣町、葛尾村、浪江町、南相馬市の5市町村が含まれる。
 飯舘村、川俣町の計画的避難を着実かつ円滑に支援するため、すでに経済産業、総務、農水、厚労各省と福島県職員により構成される現地政府対策室が発足しており、住民一人ひとりの事情に応じたきめ細かな相談・避難アレンジ、生活支援などを実施している。
 国土交通省では、計画的避難区域内でのトラック運行の留意点をまとめている。同区域内は1ヵ月程度居住したとしても問題はなく、輸送のために立ち入った後もとくにスクリーニングなどが必要な状況にはないが、「気になる場合には」と前置きしたうえで、作業時間を短縮するために前もって業務内容を把握することなどを留意点としてあげている。
 住民の避難行動は、5月下旬から6月中旬にかけて行われる見込みで、全ト協では5月中旬頃にトラック事業者向けの放射線対策の講習会を開催する予定だ。
 一方、被災地への幹線の救援物資輸送は、当初政府の被災者生活支援特別対策本部による政府ルートが中心だったが、すでに4月20日から本来の災害救助法の枠組みに基づく県による調達配送へ移行している。政府ルートの出動台数は27日午後6時現在で1887台、自治体ルートが同5215台の合計7102台に達している。
 救援物資の幹線輸送、被災地での末端輸送、物資集積基地での荷捌きとトラック輸送は被災地支援に大活躍しており、これに計画的避難区域住民の避難輸送協力が加わる。トラック輸送はますますその存在感を増している。

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