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日本流通新聞3月7日付紙面から

社説:軽油高騰 適正取引へ認識共有を

 軽油価格が再び高騰している。1月の軽油インタンク価格は、全ト協調査(消費税抜き)によると1リットル96.82円で、2月価格は1円弱の値上がり見込み。問題は3月価格だ。都内のある中堅トラック運送事業者によると、取引業者から9円の値上げを要請されているケースもあり、インタンク価格は2008年11月以来2年3ヵ月ぶりに100円を突破することが確実な情勢となった。
 全ト協調査による軽油インタンク価格は、2008年8月の143.58円がピークで、その後下落を続け、09年3月の72.85円を底に再び上昇に転じた。
 リビアの政情不安など、北アフリカ、中東のいわゆる「地政学的リスク」が高まり、足元の原油相場が急騰している。中東ドバイ原油の東京スポット市場先物価格が先月、2年5ヵ月ぶりに1バレル100ドルを突破したほか、ニューヨーク原油(WTI)も先週100jを突破した。
 石油元売り3社の2月の軽油卸価格改定幅は1リットル当たり前月比1.3〜1.5円の値上げで、昨年10月からの5カ月間で累計11円の上昇となった。都内の中堅トラック事業者によれば、昨年10月から今年2月までのインタンク価格の上げ幅は9円で、卸値上昇11円のうち9円が価格転嫁された格好だ。
 運送事業者は「長距離は大阪までにし、油をなるべく使わないようにするしかない」と早くも危機感を募らせる。
 全国中小企業団体中央会(全国中央会)がまとめた1月の中小企業の景況によると、全国各地のトラック運送事業者から「値上がりが続く軽油による燃費増大が収益を圧迫しつつある」(北海道)、「大雪の影響による運行効率の低下と軽油単価の高騰により収益が悪化している」(秋田)、「物流量が回復せず、燃料価格高騰は確実に損益を圧迫する。さらに2月も大幅値上げの様子で一層苦しくなり心配」(長野)、「軽油価格もじわじわ上昇しており、一層厳しさが増している」(山口)、「軽油はかなり上昇してきたが、運賃は上がらない。厳しい状況が続きそうだ」(長崎)などと悲鳴が聞こえてくる。
 国土交通省は今月末、約2年ぶりにトラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議を開催する。同会議は、燃料サーチャージの導入促進や下請・荷主取引適正化を旗印に、燃料価格が急騰していた2008年5月に設置された会議だ。トラック輸送取引を巡る関係者が一堂に会する場で、燃料価格の高騰についても情報を共有し、適正な取引確保へ向けての認識を共有してほしい。

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