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日本流通新聞1月24日付紙面から

社説:交付金法制化で「税の公平性」確保を

 運輸事業振興助成交付金の法制化に向けた準備が着々と動き出している。キーパーソンは民主党の中塚一宏党総務委員長代理(党政調税制改正プロジェクトチーム地球温暖化対策税検討小委員長)だ。
 昨年末は、いわば党税調であるところの税制改正PTが政府税調の審議に大きな影響を与えた。とくに地球温暖化対策税とその関連事項については、党の提言を政府税調がほぼ丸飲みするかたちで決着した。
 11年度税制改正大綱には、地球温暖化対策税(環境税)の導入、軽油引取税などの当分の間税率(旧暫定税率)の維持、運輸事業振興助成交付金の延長と法制化が一連の事項として盛り込まれた。
 大阪府などの減額問題を受けて、トラック運送業界では交付金制度の法制化を切望していたが、これを受けて民主党は、確実な交付や確実な予算措置を党が政府に要請していた。
 その年末の税制改正論議で、環境税の導入や交付金の法制化に向け奔走したのが、トラック議連にも名を連ねる中塚氏だ。
 中塚氏によると、法制化については、すでに衆院法制局と法案の起草作業を行っており、現在関係方面と調整中だという。法案の名称は「運輸事業振興助成交付金の交付等に関する法律案」(仮称)で、「これまで通達で措置していたものを法律で定め直す」(中塚氏)内容になる。
 中塚氏は今年4月の法施行をめざしており、地方議会の予算措置などに間に合うよう、2月中の衆院通過をめざす考えを示している。
 民主党の議員立法ルールでは、部門会議、政調役員会などの党内手続きが必要で、中塚氏は今週にも法案を総務部門会議に諮り、党内手続きを進める考えだ。
 その後、「然るべき段階で」(中塚氏)野党各党と調整を進め、超党派による委員長提案として国会に提出することをめざしている。委員長提案にできれば、委員会審査が省略され、衆参両院の本会議の議決があれば成立させることができる。ただそのためには、全会一致であることが前提となる。
 今国会は臨時国会に引き続く衆参ねじれ国会で、4月の統一地方選に向け与野党が激しくぶつかり合う構図となるのは確実だ。
 ただ、交付金は軽油引取税の還付・減免措置に代わるものであり、都道府県によって対応が異なるようなことは、税の公平性という原理原則に反することになる。税の公平性を確保するためにも、野党各党が足並みをそろえて法案の提出に臨んでほしい。


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