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日本流通新聞1月1日付紙面から

社説:海外の経済成長取り込め

 2011年の幕が開けた。
 世界経済は、金融危機以降の大幅な落ち込み後の在庫復元の一巡や各国の景気対策終了で拡大テンポは鈍化しつつある。
 世界経済の減速、円高の進行に伴い、これまでの景気回復を支えてきた外需による国内GDP寄与度は大きく後退する見通しで、日本経済は景気の「踊り場」を迎えている。
 各民間シンクタンクの予測では、10年度3・2%成長のあと、11年度は1%強へと減速するが、「11年度中の成長テンポは前年度並みの水準を維持する」(日通総研)、「外需に下振れリスクはあるものの、住宅投資が7年ぶりにプラスになるなど、設備投資と住宅投資が成長を支える」(帝国データバンク)とプラス成長が続く見込みとなっている。
 日通総研の予測によると、11年度の国内貨物輸送量は、内需の回復が一服するなかで、全品類にマイナスの推移が見込まれるため、総輸送量は前年度比2・1%減と12年連続減少が避けられない見通しだが、営業用トラック輸送量を見ると、生産関連貨物が微増で消費関連および建設関連貨物が小幅な減少となるため、前年度比0・6%減の微減と予測している。
 トラック運送事業を取り巻く環境は厳しさが続くが、そのようななか、新たな税負担となる地球温暖化対策税については、ガソリン・軽油1g当たり初年度25銭とされ、その後段階的に引き上げて、15年度に76銭とすることで決着した。
 旧暫定税率分を新税に衣替えする案は、トラック業界などの強い反発もあって見送られたが、厳しい財政状況の下で、税率水準は引き続き維持されることが決まった。
 旧暫定税率の維持に伴い、運輸事業振興助成交付金は改めて継続が明記され、一部自治体による交付額の減額問題を受けて、法制化の方向も明示された。
 法制化は、民主党トラック議連を中心とした議員立法により進められる見通しで、これまで交付金制度に批判的だった片山善博総務相も「通達行政を改善するという意味で一歩前進」と前向きに評価している。次期通常国会への法案提出が見込まれるが、今年はその成り行きが注目されるところだ。
 トラック運送事業については、国土交通省が昨年3月、「トラック産業の将来ビジョン検討会」を設置して産業としてのあるべき姿の検討に着手。7月にまとめた中間整理では、目標とすべきあるべき姿として、生産性の向上、アジア等への海外進出、環境対策・安全の確保、優良引越事業所の評価制度構築などを提起した。
 規制緩和後の課題としては、最低車両台数の見直しと適正運賃収受に向けた取り組みをあげた。この2点については10月に設置したワーキンググループでさらに検討を続け、今夏に結論を得る予定だ。規制緩和の見直しでどのような成果が得られるのか、注目される。
 少子高齢化、人口減少時代に突入した国内では、貨物輸送量も減少の一途をたどっており、トラック運送事業ももはや海外進出と無縁ではない。海外に直接出て行かないにしても、10%の経済成長を誇る中国、インドをはじめとした新興国の経済成長を何らかのかたちで取り込んでいく取り組みが求められよう。


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