DX推進へ支援策拡充、久保日倉協新会長

会員要望〝聞き出す〟

日本倉庫協会の新会長に就任した久保高伸三井倉庫社長は9日の通常総会後に記者会見し、①社会基盤の要である倉庫業の維持・発展、②新たな環境変化に対応する会員事業者への支援策の拡充――を事業活動の重点とする考えを示した。久保新会長は厳しい事業環境下において「所管面積は伸びているが、保管残高は横ばい。輸出入の復調で貨物回転率はやや改善傾向だが、入出庫残高は昨年同様で全体では回復基調もコロナ前を下回る。本格的な回復には至らないが、課題にしっかり取り組み、社会的責任を果たすことに尽力する」と抱負を述べた。倉庫業の維持・発展に向けては「人手不足への対応や災害対策、地域貢献課題に取り組む」とし倉庫業界の広報活動、PRにも一段と注力する。支援策の拡充ではとくに物流DXの推進をあげ、「物効法、税制特例の利用促進を継続し、会員事業者の協力、各地区協会と連携する。各社の要望を積極的に聞き出すことに努める」。倉庫税制要件にDX関連機器の整備が付与されるなどDX推進が求められる中で、日倉協では1件あたり100万円を上限とする補助金の新制度を創設したほか、新たにDX推進のガイドラインを策定する。また、カーボンニュートラルへの対応では「倉庫のCО2削減対策とともに、サプライチェーン全体でCО2削減にどう倉庫業として貢献できるかの視点も重要」とし基本方針を取りまとめる。日倉協は9日に通常総会を開き、全議案を承認。役員改選で小野孝則会長が退任(副会長に就任)、久保高伸副会長が新会長に就任した。副会長(8人)は小此木歌藏小此木社長、小川謙日本トランスシティ社長が退任、田留晏鈴江コーポレーション社長、武藤正春東陽倉庫社長が新副会長に就任した。