運輸・倉庫業3カ月ぶりプラス

TDB10月景気動向調査

帝国データバンク(TDB)が4日発表した10月の景気動向調査によると、運輸・倉庫業界の景気DIは前月比1・3ポイント上昇の37・1と小幅ながら3カ月ぶりに改善した。全体でも1・6ポイント増の41・5と2カ月連続の改善、個人消費関連の回復が大きい。当面は原油価格上昇が下押し材料となるが、生産・消費両面の経済活動が緩やかに正常化するとみる。全10 業界が前月比改善した。新規感染者数が減少傾向となり、緊急事態宣言等の人流抑制策が解除された中、サービス、小売など個人消費関連の景況感が大きく上向いた。半導体・鉄鋼・木材などの供給制約による影響は自動車関連の業種を中心に継続した。運輸・倉庫業界の景気DIは感染再拡大の影響もあり小幅な増減を続けるが今年に入って最も高い水準で、37以上はコロナ影響前の2019年1月(39・5)以来。調査対象の6割を占める一般貨物自動車運送の指標は38・0と前月比0・2ポイント改善した。燃料高騰の影響を受ける一方、荷動き回復のプラス要因が上回った格好だ。運輸・倉庫業界の各指標をみると、燃料価格など仕入れ単価DIは68・7(前月63・8)に上昇、2018年11月(69・6)以来の高い水準となる。運賃・料金を示す販売単価DIも51・3(前月49・7)と50を超え直近では20年2月(53・0)以来となる。雇用過不足DIも正社員58・6(同57・8)、非正社員55・0(同54・6)と人手不足傾向が強まってきた。TDB調査による運輸・倉庫業の景気DI見通しは、3カ月後42・6、6カ月後46・4、1年後50・0と予想指標の水準は徐々に上向き傾向にある。