幅広い業界・業種間連携を

「ホワイト物流」推進運動のポータルサイトに、賛同企業・団体間の連携を支援する掲示板〝集いの場〟が開設される。意見交換や生産性向上への取り組みにつながる多様な活用を促す。物流改善へ新しいアイデアの創出も期待される。
トラック運転者不足で物流が滞らないよう企業の賛同と国民の理解を得るために2019年4月に始動した「ホワイト物流」推進運動。上場企業等全国6300社の代表者に要請した賛同企業数は6月末現在で1239社。1000社超が昨年6月末で、コロナ禍もあってかその後ペースは落ちてはいるものの着実に賛同企業数は増えている。その規模と幅広い業界・業種の企業・団体間で効率化へさらなる連携を促すことは大きな意義がある。
深刻化する運転者不足を受け物流の生産性向上に取り組む企業が増えていることは確かだが、単体では限界を感じているところも多い。集いの場はこれを解決するべく、賛同企業・団体が日頃出会うことのないパートナーとのきっかけづくりの場として利用できる。
サイトに掲載した利活用イメージなどの紹介動画によると、幹線往復化や中継輸送、あるいはモーダルシフト実施へのコンテナ混載、さらに日々の出荷量変動の吸収といった具体的な連携への要望がある。また、長時間労働改善への進め方からパレット回収の方法、パース予約システムの成果など生産性向上の取り組みに関する情報提供への活用もあげている
こうした国主導による荷主間マッチングでは、厚生労働省が「あい積ミーティング」を昨年から実施している。共同配送に興味のある荷主企業をポータルサイトで募集し、オンラインの意見交換を定期開催、その結果をサイトに掲載し好事例の普及を図っている。
そこでの参加企業からは「異業種の荷主企業と出会える場はほとんどなかった」、「荷主の立場で運送事業者とのパートナーシップ構築に悩んでおり様々な内容で意見交換したい」など聞かれる。物流改善に取り組むにもパートナー探しでハードルがある。
集いの場はそのファーストコンタクトの場を提供する。物流改善へ意識の高い企業同士が幅広い業界・業種の中で交流を深めることで、より踏み込んだ連携施策も期待される。
意見交換、先進事例の横展開など「ホワイト物流」推進運動全体の活性化により賛同企業・団体数のさらなる拡大にもつなげたい。